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黒澤明作品ベスト5+を選定した!
黒澤明ファンとして、彼の作品に順位をつけることを、いちどはしてみたいとおもっていた。そんな資格のないことは充分承知しているが、どうしても、その誘惑に抗しきれず、私的ベスト5+を選ぶ暴挙をしてみた。
選定対象にした作品もその下に記すが、後期のカラー作品群はこのベスト5+の選定から除外した。好みの問題かもしれないが、これら後期のカラー作品にはあまり黒澤らしさを感じないし、まるで別の手によって作られた作品にしかおもえないのだ。むろん、黒澤らしさが全くないわけではなく、異常なほど細部にこだわり、リアリティを追求している点にそれを認める。しかし、これらは、別の作品群と考えたほうがよいとおもい、除外した。

私的ベスト5+

1位 野良犬
2位 酔いどれ天使
3位 生きる
4位 姿三四郎
5位 隠し砦の三悪人
別格 七人の侍

ベスト5+は、エンターテイメント性、ドラマ性、表現力(描写力)、ストーリーの一貫性等を基準に、独断で選んだが、それほど厳格なものでもない。
たとえば、ヴェネチア映画祭の金獅子賞を受賞した「羅生門」だが、これは入れなかった。それは、この作品に賞取りを狙ったような雰囲気があって、そのことがあまり好ましくおもえなかったからだ。
また、「七人の侍」は黒澤映画の集大成として別格で入れた。この映画なくして、黒澤は語れないし、彼のファンを自称はできない。また、この作品は、「ベスト5」などという無粋なことをはるかに越えた作品なのだ。
それから、黒澤の名を世界に知らしめた、もうひとつの作品「用心棒」も入れなかった。むろん、その続編というべき「椿三十郎」も入れていない。どうもあの大根を切るような殺陣がよろしくない。「七人の侍」の、あのリアルな戦いのシーンとは全く違う印象だ。リアリティを追求する黒澤にしては、カリカチュアが過ぎるとおもった。
いずれにせよ、個々の作品については、今後「黒澤に溺れる」のカテゴリーへ全てコメントしていくつもりなので、ここではこれで留めておく。
それにしても、おどろくのは、黒澤が1943年から1950年の間に、その実力を一気に開花させていたことだ。この当時、黒澤はまだ、30代前半から40代にさしかかる年齢だったのである。

ベスト5+選定対象作品

姿三四郎(1943)
一番美しく(1944)
続姿三四郎(1945)
虎の尾を踏む男たち(1945)
明日を創る人々(1946)
わが青春に悔なし(1946)
素晴らしき日曜日(1947)
酔いどれ天使(1948)
静かなる決闘(1949)
野良犬(1949)
醜聞(スキャンダル)(1950)
羅生門(1950)
白痴(1951)
生きる(1952)
七人の侍(1954)
生き物の記録(1955)
どん底(1957)
隠し砦の三悪人(1958)
悪い奴ほどよく眠る(1960)
用心棒(1961)
椿三十郎(1962)
天国と地獄(1963)
赤ひげ(1965)

タイトルを眺めているだけで、ため息が出てくる……。

※誤字訂正:白地→白痴
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by mayoeru50 | 2005-03-09 12:34 | 黒澤明に参った
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